日米密約 長く非公表「遺憾」 公開ルール検討へ…外相(毎日新聞)

 岡田克也外相は9日、日米両政府間の「密約」があったとする有識者委員会の報告書を受けて外務省で記者会見し、「米国政府から日本政府へ事前協議がないため核搭載艦船の寄港・通過はない」としてきた従来の政府見解を「核の持ち込みがなかったと言い切ることはできない」と修正した。「密約」について「長期間にわたり国民に明らかにされなかったことは遺憾だ」と表明。岡田氏を本部長とする「外交記録公開・文書管理対策本部」を省内に設置し、外交文書公開のルールなどを検討することを明らかにした。

【日米密約問題】外務省調査報告書の全文

 岡田氏は「核兵器を持たず、つくらず、持ち込ませず」の非核三原則について「見直す考えはない」と堅持する方針を示す一方、「法制化する予定は現時点ではない」と述べた。あるべき文書の欠落が報告書で指摘されたことについて「意図的な破棄があったか明確でない。(文書の存在が)特定されないと、調査すると断言するのは難しい」と再調査に慎重な考えを示した。【野口武則】

 岡田克也外相が日米密約に関する報告書を受けて行った記者会見の要旨は次の通り。

 ◆非公表文書が存在し、核持ち込みに関する日米両国政府の認識に不一致があったことなどを示す文書の存在が判明した。これほどの長期間にわたり、冷戦後の時期に至っても国会、国民に明らかにされてこなかったことは極めて遺憾だ。外交記録公開・文書管理対策本部を設置し、改善措置を検討、速やかに実施したい。本件調査によって日米安保体制の運用に影響を及ぼす考えはない。

 −−従来の政府見解をどう見直すか。

 ◆領海通過・寄港について日米間で解釈が異なることが明確になった。従来、核の持ち込みがなかったと言い切ることはできない。疑いを完全に払しょくすることはできない。

 −−外務省は「事前協議がないから持ち込みはない」と繰り返してきたが。

 ◆米側は91年以降、艦船や航空機への核搭載を行わないと明らかにしており、91年以降核が我々が考える一時的寄港の形で持ち込まれることはない。

 −−非核三原則の「持ち込ませず」は問題だ。

 ◆我々、非核三原則を見直す考えはない。

 −−事前協議を経て核持ち込みを要請され、政府として必要と判断した場合は。

 ◆非核三原則を守るという政府の考え方に変化はない。それ以上は仮定の議論で答えるべきでない。

 −−元米政府高官が、米軍が66年に岩国基地で核兵器を保管していたと証言した。調査するか。

 ◆外務省には資料がないと判断している。日本国政府の分からないところであったのかもしれず、とすると確かめようがない。

 −−有事の沖縄核再持ち込みで有識者委は「密約でない」としたが、外相の評価は。

 ◆自分の意見は言わない方がいい。ただ外相ということを離れて一常識からみると、これこそ密約じゃないかという気がしないでもない。

 −−現時点で非核三原則に反する密約はないと言えるか。

 ◆それは断言できる。

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